会報11号

2013/07/12

利用者の声 その3


「優しい顔つきになったね、お母さんの顔になった」と息子の二回目の手術が終わり、検診にリラのいえを利用させてもらった時に、ボランティアの方に言われた言葉です。
言われてから、やっと一段落がついて緊張から解放され、心穏やかでいられるようになったのだと気づき、安堵と嬉しさがこみ上げてきました。

 私は海外で出産をしました。私自身海外滞在経験もあり、日本人の助産師さんもいらっしゃるので出産前の心配事といったら、無痛分娩の麻酔の痛みを心配するくらいでした。出産直後息子の疾患が判り、隣の市にある大学病院のNICUに運ばれました。私も一泊二日で出産した病院から退院し、息子の入院している大学病院に夫と共に通い詰めました。入院中は、理解ある夫の上司、いかなる時でも前向きな夫、担当の優しい看護師さんに救われました。しかし入院生活中、医療通訳がついたにも関わらず言語の壁は厚く、医療制度の違いもあり、診断がくだされるまで心が休まる時がありませんでした。
 日本の「国民皆保険」と違い検査や支払いの件で保険会社と交渉し、退院後は検査の薬を自分で入手しなければなりません。保険会社経由でなければ購入できない特殊な薬だったため、高額で渋る保険会社と交渉を重ね三ヶ月たってやっと薬が届いた時の喜びは今でも覚えています。血液検査の際は、保険会社と確認したにも拘らず、子供対応病院での血液採取は保険が適応されず、指定ラボに行き、生後三カ月の息子は三時間もの間泣き叫び続け、殆ど血液が取れなかったという事もありました。

 すべての交渉に疲れ、初めての子育ては思ったようにいかず、どうにもならなかった時に、アメリカで知り合いになった、同じ歳の子供を持つお母さんが以前こども医療センターの看護師さんをしていた事があり、同病院を受診してはどうかと勧めてくれました。アメリカで手術を望む夫を説得し、息子を日本に連れて帰り、横浜こども医療センターで受診した時、私は「なんて素晴しい病院なのだろう!」と思いました。
先生も看護師さんもなんて親切・丁寧に説明してくれるのでしょうか。血管がボロボロになったため半年間は採血ができないと言われていた血液検査も「え?!もう終わったの?」と思うくらい簡単に終わった時の感動。すべて病院にお任せでき、息子の事だけを考えられる事に安心し、夫と話し合い同病院で手術をして頂く事にしました。

そして息子の二回の手術の間、リラのいえに滞在させていただき、佐伯さんを初めとしたボランティアの人達の優しい心配りに心癒され、症状は違っても子供に何かしらの症状を持つ親御さん達とも知り合いになり色々お話をする機会が持てた事は、私にとって大変大きな心の支えとなりました。

 先日リラのいえに滞在した時、夫と同じ州に住む方にお会いしました。言葉の通じない国での看病ほど心細いものはありません。その彼女が「日本人はとても親切。特にここの施設の人達はとても親切です」「あなたたちが何故佐伯さんをリラのいえのお母さんと呼ぶのかわかった」と仰っていました。私は息子の件で沢山の方と知り合い、優しさを知りました。彼女が自国に戻ったらきっと日本人に優しくしてくださる事でしょう。リラのいえの優しさの輪は様々な所で広がっていっているのだと思います。
 
 息子は術後の回復も良好で、元気に毎日を過ごしています。
 横浜こども医療の先生・看護師の皆様方・保育士さん、そしてリラのいえの佐伯さんを初めボランティアの皆様方に深く感謝したします。ありがとうございました。
今後も色々な事が待ち受けていると思いますが、今回リラのいえでお世話になり触れさせていただいた優しさを忘れることなく、子供の成長を見守って行きたいと思います。

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