会報11号より

2013/07/12

リラのいえの皆様へ


前略
 先日はリラのいえ5周年記念誌をお送りいただき、ありがとうございました。娘が退院して2年を過ぎましたが、こうして今でもリラのいえとつながりを持ち続けていられる事は一重に折りに触れてお便りを送って下さるスタッフの皆様のお気使いあってのことと心から感謝いたします。

 記念誌や毎日新聞の記事を読み、リラのいえでお世話になった当時を振りかえり、スタッフの皆様から受けた温かい支援や、ご一緒させていただいたご家族の皆さんとの交流に想いをはせます。リラのいえの設立からの歴史や想いを知る事は病児やその家族がどう社会から支えられてきたかを利用者側も改めて認識するためにはとても大切な事だと思います。それは単に一利用者としてだけでなく、今後どのように自分が病気やその支援とどう向き合っていくか考える事ができるからです。

 単なる宿泊施設ではない、病児を含めて家族全部をいたわると言うリラのいえのその「視点」にとても救われたのだと思っています。スタッフの皆様の温かさに浸りすぎ、逆に退院が大きな喜びである一方、社会荒波に立ち向かっていかねばならい(多くの入院ママ友との話です)と言う覚悟をしたのも記憶にあります。

 当時の関わりから、子どもの病気・治療だけではない、家族を含めた多くの生活課題がある事を知りました。2人目の子を産むことへのためらうケース、母親が離職せざるを得なくなる、逆に仕事のために親が面会にこられないケース、それが子どもに与えている影響を目の当たりにし、考えさせられました。高齢者の介護や少子化問題への世間の関心は高いのに、病児の家族支援・きょうだい支援についても調べてみようと思いましたが、まだ専門的な研究・調査の数は少ないようです。 

 私自身悔やまれるのは病児の心理、親の心構え、きょうだい児への接し方、自分自身の心身の健康の保ち方、様々な支援の受け方等・・・、もちろん経験しながら学んだ事も多かったですが、入院する前にもっと色んな知識を持っていたら、もっと前向きに取り組めたのではないか、という事です。 病児の家族支援が社会の当然の仕組みとしてもっと認められるように、多くの親御さんの負担が少しでも軽くなるように私も経験者としてできることをしていきたいと思っています。

 東日本大震災の日に退院した娘(姉)は中学2年、元気に自転車通学をしています。妹は小学5年になり、きょうだい喧嘩も多いですが、それなりにありがたい事です。成長期が終わったころにはまた手術・長期入院の可能性もありますが、今は思春期真っただ中、地元の中学や高校に行きたいという希望もあり、今は歩けているので良しとしています。リラのいえを重篤・緊急度の高い方に優先的に使っていただくには、私のような県内・長期入院のケースの場合、どうやって病児を支える家族の生活基盤を整えていくか、病児の治療計画と同時に考えていかなければならない課題だと思います。
 スタッフの皆様にはご苦労の多い事だと思いますが遠くから応援しています。何よりもリラを支えておられる皆様が健康でありますように。
草々

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